ZEHとは?


 

 ZEHとは、年間の 「1次エネルギーの消費量をプラスマイナスゼロに出来る住宅」と定義されています。

分かりやすくいうと、『使うエネルギー≦創るエネルギー』になる住宅のことで、地球環境にやさしい住宅ということになります。

 

 


なぜZEHが注目される?


 

私たちは石油や石炭、天然ガス、火力、風力、原子力など自然界から採取する1次エネルギーを電気に変換して消費しています。言い換えると、日々1次エネルギーを大量に消費しています。

しかし、1次エネルギーは無限にあるわけではなく、消費し続ければいずれ無くなってしまいます。1次エネルギーが無くなるということは、電気やガソリンなど様々なものが使えなくなるということです。

だから国は1次エネルギーの消費を抑制するために、エネルギー消費をプラスマイナスゼロにする住宅「ZEH」

を提唱し、「ZEH仕様の住宅を建てた人には補助金を出します」と言っているわけです。

 

 

 人は生活をしている限り電気を使うので1次エネルギーの消費は避けられません。しかし、1次エネルギーの消費を抑えることはできます。

例えば、家の「断熱」性能をあげて、暑さや寒さに影響されにくい住宅にすれば冷暖房=電気の使用量を少なくできて結果、1次エネルギーの消費を抑えることができます。具体的には断熱材や窓の性能を高めます。

 

また、省エネタイプのエアコンや少ないエネルギーでお湯を沸かせる高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED電球を導入することで、エネルギー消費量を抑えることができます。

これが「省エネ」というものです。

 

さらに太陽光パネルを屋根に設置して、電気を創り出します。

これを「創エネ」といいます。

使う分の電気を時給自足することが出来れば、エネルギー消費量をプラスマイナスゼロのすることができます。

 

 

ZEHに必要なのは「断熱」「省エネ」「創エネ」の3つです。高断熱化によって、酷暑や厳寒を我慢しなくてもエアコンの効きがよいため省エネでも快適に過ごせます。太陽光発電があれば停電時でも電気を使えます。つまり、光熱費を抑えられるだけではく、安心で快適な暮らしが可能になることがZEHのメリットです。

 


ZEHの種類は3つ


 【1】ZEH 「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:20%以上

        「創エネ」(再生可能エネルギー) を含む省エネ率:100%以上

 

     Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)/ 補助金対象は寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る

      「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:20%以上

         「創エネ」(再生可能エネルギー) を含む省エネ率:75%以上

 

 

【2】ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)/ 補助金対象は都市部狭小地の二階建て以上に限る

      「断熱」+ 「省エネ」による省エネルギー率:20%以上

      「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:再生エネルギーを導入しなくてもいい

        都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域、(第一種及び第二種低層住宅専用地域並びに

        第一種及び第二種中高層専用地域)等であって敷地面積が83㎡未満である土地。但し、住宅が平屋

        建ての場合は除く)に建築される場合に限る。 

 

 

【3】ZEH +(ゼッチプラス)

      「断熱」+ 「省エネ」による省エネルギー率:25%以上

      「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:100%以上

        さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリア

      (a)断熱性能の更なる強化

      (b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能

      (c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能

 

   Nearly ZEH +(ニアリー ゼッチ プラス)/ 補助金対象は寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る

      「断熱」+ 「省エネ」による省エネルギー率:25%以上

      「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:75%以上

        さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリア

      (a)断熱性能の更なる強化

      (b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能

      (c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能

 

 

 「Nearly」がつくNearly ZEHやNearly ZEH + は、寒冷地など太陽光による発電量が不利な地域でも、緩和した太陽光発電の要件を満たしていればZEHとして認めるというものです。

 

「ZEH Oriented」は、都市部の狭小地で太陽光発電システムを備えてもあまり発電量が見込めない住宅でも、太陽光発電以外の要件を満たしていればZEHとして認めるというものです。ZEHに創エネは必須ですが、このZEH Orientedに限ってはそれがなくてもいいというものです。

 

「Nearly」と「Oriented」は、ZEHの裾野を広げるために設けられたものということになります。

 

その一方で「+(プラス)」がつくZEH + やNearly ZEH + は、ZEHよりも高性能なものになります。「断熱」と「省エネ」によるエネルギーの削減率は、他が20%以上なのに対して25%と高く定められています。さらに、太陽光発電で創ったエネルギーを、電力会社に売電するのではなく自宅で消費することを促すために、「創エネ」を自家消費しやすくなるよう3要件が追加されています。そのうち2つ以上をクリアしていればOK